代理店のPDFワークフロー(企画書・ブリーフ・承認)
最終更新日
代理店が扱うPDFの量は、自分たちが思っている以上に多いものです。企画提案書が送られ、ブリーフが戻ってきて、クリエイティブの成果物が承認フローを通り、納品物がまとめて出荷され、振り返り資料が共有フォルダに置かれます。そのひとつひとつは小さな作業ですが、まとめると代理店の業務を支える動脈のような存在になっています。
代理店のPDF作業のほとんどは同じことの繰り返しです。スライドデッキを送付用のPDFに変換する、プレゼン用バージョンと付録を結合する、クライアントポータル向けに圧縮する、レビュー中の下書きに透かしを入れる、承認に署名する、案件終了時にアーカイブする、といった作業です。決まったリズムと、必要最小限の適切なツールがあれば、この作業は軽く済みます。なければ、何時間も奪われてしまいます。
このガイドでは、小規模な代理店で実際にうまく機能しているワークフローを解説します。どれも有料のPDFソフトは必要とせず、ほとんどはブラウザのタブ内で、クライアントの機密情報をアップロードすることなく行えます。
手順
- 1
企画提案書:書き出し、圧縮、ブランドの確認
スライドデッキをPDFとして書き出し、見込みクライアントのメール向けに圧縮します。フォントが埋め込まれていることを確認し、スライドのタイトルが相手側で別のフォントに置き換わらないようにします。表紙には見込みクライアント名を入れ、メタデータのタイトルも設定し、ファイル名は見込みクライアント名_Pitch_YYYY-MM-DD.pdfにします。
- 2
クリエイティブブリーフ:ヒアリング資料と素材を結合する
ブリーフの文書とクライアントの素材(ロゴ、参考例、ブランドブックなど)を、PDF結合でチームが参照できる1つの作業用ファイルにまとめます。元のファイルは残しておき、結合したバージョンはあくまで手早く参照するためのものとして扱います。
- 3
承認:署名済みPDF、レビュー中は下書きに透かしを
下書きは、透かしを追加で「DRAFT」のスタンプを押した状態で回覧します。クライアントが承認したら、PDFに署名を使った署名済みPDFで承認を正式なものにします。最終ファイルからは透かしを取り除きます。
- 4
納品物:作業用ファイルとは別に、高品質なPDFで
最終納品物は、社内用バージョンより高い画質で書き出します。PDFページの並べ替えでページの順番を確認し、PDFページの抽出で納品すべきでないものを取り除きます。
- 5
クライアントポータル向けに圧縮する
多くの企業向けクライアントポータルは10〜25 MBを上限としています。PDF圧縮を使えば、目立った画質の劣化なしに納品物をこの上限内に収められます。納品するのは圧縮したコピーで、圧縮前のファイルはソースのアーカイブ側に残しておきます。
- 6
案件終了時にアーカイブする
案件のフォルダを/Archive/[年]/[クライアント名]/[案件名]/に移動します。進行中フォルダはすっきりした状態を保て、アーカイブは次の提案に使う事例のもとになります。
コツ
- 画面で見せるためのデッキは、印刷用のデッキより圧縮率を低めに書き出しましょう — 画面上では圧縮によるノイズが目立ちにくいためです。
- デッキの表紙は統一しましょう。ロゴ、見込みクライアント名、日付、代理店側の連絡先です。提案ごとにレイアウトが違うと、代理店全体として一貫性のない印象を与えてしまいます。
- すべての下書きに透かしを入れましょう。やり取りの途中で下書きから透かしが消えた瞬間、責任の所在があいまいになります。
- 承認はチャットのスレッドではなく、署名済みPDFの上で行うべきです。将来の自分には、根拠を示せる記録が必要になります。
- デッキの表紙、ブリーフのテンプレート、承認用フォームをまとめた/Templates/フォルダをあらかじめ用意しておきましょう。作り直すより、使い回すほうが常に効率的です。